Core Technology1

カイコ・バキュロウイルス発現法の特徴

カイコ-バキュロウイルス発現系は、真核細胞で最も効率の良いタンパク質生産系として知られています。 カイコはあらゆる動物の中でもっとも家畜化されたものであり、生理活性物質生産系の宿主として捉えた場合、いくつかの特筆すべき利点があります。

高品質かつ天然に近いタンパク質

高次構造形成や翻訳後修飾が可能(ヒトや動物に近いタンパク質ができる)であるにもかかわらず、コストがある程度抑えられる

多品種少量開発を同時並行かつ短期間で実現

カイコ1頭1頭が試験管の役割を果たすため、少量多品種開発を同時に行うことが容易で、最短2か月で開発が可能。その後量産したい場合に、短期間で移行可能

高い生産性とスケーラビリティ

カイコ生体を用いるため、タンパク質の発現率が非常に高く、また培養設備等を必要としないため、カイコ頭数を増やすことにより容易にスケールアップが可能

高い安全性

バキュロイウルスはヒトに感染しないため安全性が高い

カイコは家畜化された生物で、飼育や取扱いが非常に容易。研究施設外へ出ることもないため、施設周囲への安全性も高い

カイコを利用した発現系には、遺伝子組換えカイコの繭からタンパク質を生産する方法もありますが、弊社のカイコ-バキュロウイルス発現系とは基本的に発現システムが異なり、双方にメリット・デメリットがあります。一例では、分泌性タンパク質や膜タンパク質は、その毒性(強い生理活性)や特殊な構造により遺伝子組換えカイコの胚性致死や絹糸タンパク質分泌に特化した絹糸腺での分泌不全を引き起こすことが多く、組換えカイコでは発現が困難ですが、カイコ-バキュロウイルス発現系では生産可能です。