事業概要

KAICOは九州大学農学部と工学部の技術をもとに、2018年に設立した大学発ベンチャーです

九州大学のオリジナルカイコを利用しカイコ・バキュロウイルス発現法により、再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などの大きな潜在需要がありながら、低コスト生産が実現できていない難発現性タンパク質を大量生産できる生産プラットフォームを商業的に構築しました。

この生産プラットフォームを利用することにより企業や研究者が身近・手軽に研究開発に利用できるようになり、開発後には大量生産も可能とします。本プラットフォームは少量多品種の生産に対応可能であることから,研究開発の初期段階において大きなアドバンテージを有します。

事業ターゲットは、他の発現系では生産し難いものに対象に絞って、カイコの組換えタンパク質を量産化し、多くの開発パートナーと新しい医薬品・診断薬・試薬の開発を進めて行くことです。研究者の開発したタンパク質が試薬や創薬候補となり得る場合には,そのシーズを企業へ橋渡しすることにより商業化へ結びつけるビジネスモデルとしています。

2020年から世界に流行した新型コロナウイルス (COVID19)のスパイクタンパク質を、2020年5月には本プラットフォームにて開発完成し、抗原として利用し抗体検査キットを2020年10月に共同開発先が販売開始しました。またワクチンの開発を目指し、更に研究開発を進めており、将来的には経口摂取でのワクチンを目指しています。

カイコは個々がバイオリアクターの機能を果たすため、開発したタンパク質は頭数を増やすだけで、医薬品・ワクチンの量産が可能です。未知の感染症が発生した場合、本プラットフォームは少量多品種の生産に対応可能であるため複数薬の同時並行開発ができ、即座のスケールアップ大量生産が可能となります。

この特徴が評価されて、2022年10月にAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)のSCARDA(ワクチン・新モダリティ研究開発事業)プロジェクトにおいて、新規モダリティワクチンとして研究開発に採択されました。