カイコ-バキュロウイルス系
カイコとバキュロウイルス
〜昆虫由来の次世代タンパク質生産システム〜
バキュロウイルスは、昆虫に特異的に感染するウイルスで、ヒト等の哺乳類には感染しないため安全性が高く、近年はタンパク質生産や医薬品製造での活用が期待されています。
KAICOでは、このバキュロウイルスとカイコ(蚕)を組み合わせた「カイコ‑バキュロウイルス発現系」を開発しています。
目的タンパク質の遺伝子が挿入された組換えバキュロウイルスをカイコ蛹の体内に注入すると、ウイルス増殖の過程で目的のタンパク質を作ることが可能です。
カイコとバキュロウイルスの相性は非常に良く、KAICOの技術の基盤となっています。この他、カイコを活用するメリットの一部を紹介します。
カイコは飼育が容易
カイコは「クワコ」という野生のガを数千年かけて家畜化した昆虫で、飼育・繁殖が容易であり、人間が管理する温度や湿度など特定環境に適応しています。さらに幼虫や蛹(さなぎ)はほとんど移動せず逃げないため、省スペースでの大量飼育が可能です。
カイコの蛹期がタンパク質生産に最適
蛹になると消化管が退縮し、プロテアーゼ活性(タンパク質を分解してポリペプチドやアミノ酸にする酵素)がほとんどなくなります。そのため、蛹全体を摩砕しても目的のタンパク質が損なわれず、高品質のタンパク質を効率よく回収することが可能です。これにより、膜タンパク質や複雑な構造を持つタンパク質も安定して生産できます。
KAICOでは、昆虫特異的に感染するバキュロウイルスと、家畜化され飼育が容易なカイコ、さらに蛹期の特徴を最大限活かすことで、安全・高効率・高品質という三拍子揃ったタンパク質生産を実現しています。本技術を活かし、難発現タンパク質の製造受託や前例のないヒト用の医薬品開発(ノロウイルスのヒト用注射型ワクチンが2026年夏にPhase 1開始予定)にも取り組んで参ります。