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Service & Productワクチン事業動物用ワクチン/飼料添加物事業

動物用ワクチン事業では、哺乳類、鳥類、魚類を中心とした動物に対する製品を開発しています。経口剤と注射剤の2つの剤型と、飼料添加物とワクチンの2つの製品カテゴリーでの開発を進めています。

PCV2経口ワクチン / 飼料添加物

背景

豚サーコウイルス2型(以下PCV2)は国内外で流行する豚の感染症である豚サーコウイルス関連疾病(PCVAD)の原因ウイルスです。農場のほぼ100%で感染がみられ、離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)による発育不良、削痩、繁殖障害を生じます。PCVADによる経済損失はEUで年間6億ユーロとの試算もあります。PCV2は常在型のウイルスで、消毒や熱に強く清浄化が困難であり、ワクチンによるコントロールが標準となっています。

市販ワクチンは全て注射型で、日本国内では全頭ワクチン接種が義務付けられていますが、1頭ずつ接種する手間やコスト、さらに残留針の混入リスクや豚へのストレスが課題となっています。

開発状況

KAICOでは、カイコ生体を用いた「カイコ-バキュロウイルス発現系」を基盤として、経口投与でも抗体応答を誘導する経口ワクチンを開発しました(特許7678480、特許7502739)。

実際の豚を用いた実証試験では、カイコ粉末の嗜好性は問題ないこと、また、子豚に食べさせた場合、投与群では人工的にウイルスを曝露させた条件でも有意にウイルス血症や発育不良を抑制していることが確認されています。また、母豚に食べさせた場合には母豚から子豚へ母乳を介して抗体が移行することも確認できており、より効率的な免疫付与方法への取り組みにも挑戦しています。

医薬品としての開発と並行して、PCV2感染症による経済損失が深刻な養豚業界向けに、室温保管が可能で通常の餌に混ぜられる「免疫サポート飼料添加物」を開発。2024年9月に養豚が盛んなベトナムで製品登録が完了しました。 

ベトナムでの約2,000頭規模の野外実証試験では、従来の免疫手法と同等の成長促進を維持しながら、投与に関わる作業時間を99%削減しました。

タンパク質受託発現トライアル

KAICOでは、メーカー様のワクチン開発に必要となるタンパク質を、カイコ-バキュロウイルス系を用いたタンパク質受託発現サービスを通じて提供しています。

カイコ生体を使用するカイコ-バキュロウイルス発現系では、ウイルス様粒子(VLP)の発現も得意としています。そのほか、SARS-CoV2のスパイクタンパク質を発現させた実績もございます。

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