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養蚕

蚕日記③〜掃き立て(はきたて)〜

駒ヶ根シルクミュージアムです。
2025年5月22日に「掃き立て」を行い、春蚕の養蚕が始まりました。
「掃き立て」とは、孵化した幼虫を羽帚で蚕座に掃き下ろし、給桑をすることです。

【羽帚で蚕を蚕座におろしている様子】

以前より、卵の調整をしたり、飼育する部屋を消毒・掃除したりと準備をしておりましたので、無事に掃き立てをすることができて安心しておりますが、同時に養蚕がはじまったと身が引き締まる思いです。

蚕は4回脱皮をして、繭をつくります。
その繭をKAICO株式会社様に送付させていただきます。

こちらの写真は1齢が「眠(脱皮前の状態)」に入ったところです。

【1齢(眠)】

黒い粉のような物は「焼きぬか(もみ殻を燻炭にしたもの)」です。
焼きぬかには、湿気を吸収し乾燥させる効果があります。
眠中は乾燥していた方が上手に脱皮をすることができるので、このような効果をもつ焼きぬかを振ります。
 昭和の初め頃までは、焼きぬかが広く使われていましたが、現在では「石灰」を使うことが一般的です。しかし、焼きぬかは乾燥に加え、アンモニアを吸収する等の効果もあることが分かり、伝統的な手法が見直されています。